天光寺|信徒の会

天光寺の紹介

天光寺の滝行の感想文が、届けられました。

東京都の西多摩郡檜原村という場所にその寺はあります。「天光寺」。真言宗のお寺です。
このお寺では、滝行を含めた、寺の修行を体験することができます。
修行なんて、そんなに体験しにくる人はいないだろう、などと思っていたのですが、その考えは簡単に裏切られました。

このお寺は、修行を通じて、世の中でもう一度生きようとする人たちに活路見出してくれる寺。
実に多くの、人生を見失った人たちが、この寺で修行をしています。
ただ、その修行は、決して悲壮感があったり、苦行だったり、というわけではありません。
実に、レクレーションのように修行を楽しんでいる風景がそこにあります。

多くの人が、2日以上の修行を体験する中で、
僕らは、たった1日の体験修行でした。

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10時半の集合でしたが、1時間は早く到着。
本堂で手続きなどをしつつ、待つことになるのですが、それから、体験希望者たちが来るわ来るわ。
子供たちが多いですね。親に連れられて体験しに来ています。

修行の最初は挨拶です。
挨拶は、修行の基本。正座して「おはようございます」と言いながら、額を床に擦り付けるほどのお辞儀。
これが基本の挨拶です。これらを丁寧に実践します。

お昼ごはんの天ぷらうどんをいただきます。
僕の前では、今回の修行を指導してくれる修行僧の方が食事をしていますが・・・
さすがですね。うどんをすする音も、漬物をかじる音もしません。静かに食事をする修行もまた、ここでは実践です。

食事の後は、いよいよ本格的な修行に入ります。
この炎天下の中、走るのですか?
そう、お百度参りです。

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靴下を履いてもいいと言われましたが、あえて裸足でチャレンジすることにしました。
20メートルほどのコンクリートの上を、「南無大師金剛遍照」を唱えながら、
聞いたところによると、結局108往復したとか。しないとか。
108という数字は、我々世代は煩悩の数だろうと想像しますが、子供たちの発想が凄い。
本当は100なんだけど、消費税がついて108なんだよ、って。そんなことはないだろ!と突っ込みたくなる見事なボケです。^^

裸足での108往復は、想像以上に足の裏に負担をかけるようでして、終わった後には両足の裏の皮がべろべろに。
痛い。久しぶりに、足の痛さをリアルに感じます。
この足が治るのはしばらくかかりそうだ、と想像しながら、しばしの休憩。
ここからバスに乗って、滝の側まで向かいます。バスで10分くらいの距離。
その滝まで、山道を200mほど登ります。足が痛い。でも、そう、これが修行なんです。

滝には1組ずつが入ります。
「南無大師金剛遍照」を唱えながら、滝に入ります。
滝の水は冷たさを感じますが、それも最初だけ。
それよりも、その水圧と音で、周りの音や声が聞こえなくなるのを感じます。
水が落ちて我が身と滝つぼに落ちるゴーゴーという音と、自ら発声する「南無大師金剛遍照」の声しか聞こえない。
数分間、滝に打たれながら唱えると、ぽんぽんと手をたたかれ、ぐっと身体を引っ張られて、滝から出ます。
気を込めてもらって、しっかりとそれを受け止め、滝に感謝のお辞儀をして終了。
まさに、滝行をした、という感覚が、しばらくの間余韻として残ります。

身体を拭き、着替えが終わる頃には、またじわじわと気温による暑さが戻ってきます。
気持ちは、滝行の余韻で、しばし平穏な状態が続きます。
何か清められた感覚。水だけではなく、木や森や空気の全てが、自分を清めてくれた感じです。